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2024.08.07

合板とは?種類(用途・樹種・加工別)の特長を詳しく紹介

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合板は、建材や家具の材料として広く使われている素材です。しかし、その具体的な特徴や種類については、よく知らない方も多いかもしれません。この記事では、合板がどのようなものか、用途や樹種、加工方法による種類の違いをそれぞれ詳しく紹介します。DIYや家具製作を依頼する際など最適な合板を選ぶのにご参考になさってください。

 

合板とは

アクリル製のペントレーと掲示ボード付きの記載台

合板とは、木材を薄く削り出して作った単板(たんばん)を、接着剤で重ね合わせたもので、繊維方向が直行するように貼り合わせて製造されます。この製造方法により、断面が縞模様になり、耐久性や強度が向上します。

 

合板の種類(用途別)

合板は、建築や家具製作において非常に重要な素材です。その用途や特性に応じて、いくつかの種類に分類されます。日本農林規格(JAS)では、以下のような合板の種類が規定されています。

普通合板

普通合板は、特定の用途が決まっていない汎用性の高い合板であり、表面に特別な加工や塗装が施されていないため、木の自然な風合いをそのまま楽しめます。ホームセンターなどで容易に手に入れることができるため、専門家による家具製作など意外にも一般家庭でのDIYに用いられるなど幅広い層に利用されています。

コンクリート型枠用合板

コンクリート型枠合板は、建築工事においてコンクリートを流し込むための型枠として使用されることが多い合板です。一般的には「コンクリートパネル」や「コンパネ」とも呼ばれており、表面加工の無し有りの2種類に分けられます。コンクリート型枠用合板は、耐水性に優れているので、屋外での使用に適しており、雨に濡れてもその耐久性を発揮します。一方で、表面が粗いため、家具やデザイン性を重視する用途には不向きです。

構造用合板

構造用合板は、主に建築物の骨組みとして壁や床、屋根の下地など耐久性を求められる箇所に使用される強度の高い合板です。そのため、日本農林規格(JAS)によって、ホルムアルデヒドの放散量、接着剤の性能、表面材の品質、強度の基準が明確に定められています。

表面もしくは裏面に化粧単板を貼ったものは、化粧ばり構造用合板と呼ばれます。

天然木化粧合板

天然木化粧合板は、普通合板の表面に天然木の薄い単板を貼り付けて製造する外見を重視した合板です。この合板は、住宅の内装や家具、什器などに使用されます。

天然木の風合いを楽しみながら、合板の利便性を活かしたこの素材は、住宅の内装や家具などの仕上がりを向上させる効果があります。

特殊加工化粧合板

特殊加工化粧合板は、普通合板の表面に天然木以外の素材を貼り付けたり、木目模様を印刷加工したりすることで、外見の美しさと耐久性を兼ね備える合板です。この合板は、用途や目的に応じて様々な加工が施されることが特長です。

 

合板の種類(樹種別)

合板はさまざまな種類の木材から作られており、使用される樹種によって異なる特徴を持っています。合板を使用する際には、樹種ごとの特性を理解しておくことが重要です。以下に、代表的な樹種とその特徴を詳しく紹介します。

ラワン合板

ラワン合板は、フタバガキ科に属するラワンという広葉樹の一種を表と裏に貼り合わせて作られた合板です。ホームセンターで合板として売られている多くの製品が、このラワン合板に該当します。ラワン合板は、木質が柔らかく、軽量で表面はざらざらとしており、木目が薄く目立たないのが特徴です。

 

ラワン合板の用途としては、家具の裏板や建材の下地、DIYなどが挙げられます。表面がざらざらしているため、やすり掛けを行う際には細かい目のやすりを使用したり、との粉を使用することで、表面を滑らかに美しく仕上げることができます。

シナ合板

シナ合板は、シナノキ科のシナという広葉樹を表面に使用した合板です。表面が非常に滑らかで、繊維が均一であるのが特徴で、木目は控えめで色は白っぽく、高級感を感じさせる見た目です。シナは柔らかく、軽量であるため、加工が非常に容易なので、押し入れの壁や天井、建具表面の仕上げ材やDIY用途、アイスクリームのヘラにまで幅広く用いられています。

 

ポプラ合板

ポプラ合板は、ポプラ属に属する広葉樹を使用して作られた合板であり、特にイエローポプラが一般的に使用されます。この木材は白色や薄黄色であり、軽量で柔らかい特徴を持っています。ポプラは成長が早いため、価格が安定しており、他の木材に比べて手頃な価格で入手できるので、他の木材に比べてコストが抑えられます。

カットや穴あけなどの作業が容易で、初心者でも扱いやすい木材なので、DIYや家具製作の用途に適している素材と言えます。

ラーチ合板

ラーチ合板は、カラマツやスギ、スプルースなどの針葉樹を表と裏に貼り合わせて作られる合板です。針葉樹は成長が早く、柔らかく軽い素材であるため、合板の製造に適しています。木目がはっきりしていますが、表面には節があり、滑らかさでは広葉樹合板に劣るため、DIYやインテリア材として使用する際には、丁寧にやすりがけを行い、表面を滑らかにすることが推奨されます。

 

ラーチ合板は、軽量でありながらも高い強度を持っているため、構造材として非常に適しています。構造用合板として使用されることが多く、住宅の床、壁、屋根などに広く利用されています。

 

【加工別】合板の種類

合板は加工方法によってさまざまな種類があります。以下に、加工別に分類した合板の種類とその特徴をまとめます。

OSB合板

OSB合板とは、「Oriented Strand Bord」の略で、細かく削った木のチップを重ねて接着剤で高温圧縮した合板です。通常の合板とは異なり、薄い木材のベニヤを積層するのではなく、細かいチップが組み合わさって作られています。このため、表面には独特の模様があり、見た目が非常に個性的です。

 

OSB合板は、強度と耐久性に優れているため、建築現場の床材や壁材、屋根材、また独特の模様を活かすためにインテリア材として使用されることが一般的です。ただし、水分を含むと膨張して劣化してしまうため、耐水性は低いので、水回りでの使用は避けた方が良いです。

 

ランバーコア合板

ランバーコア合板は、芯材として木片を挟み、その表と裏にベニヤ板を貼り付けた三層構造の合板です。ファルカタなどの軽い木の角材を並べて芯材とし、表面にはシナや檜などの美しい見た目のベニヤ板や樹脂板が使用されます。芯材に狂いの少ない木材を使用するので、強度があり、反りにくく、本棚の棚板やテーブルの天板などに使われることが多いです。

 

ランバーコア合板は、OSB合板と同じく、水に触れると劣化しやすいため、台所や洗面所などの水回りでの使用は控えた方が良いです。

有孔合板

有孔合板は、合板に等間隔で穴が開けられている特殊な合板で、「有孔ボード」や「パンチングボード」とも呼ばれます。この合板は、吸音性に優れているので音楽室やレコーディングスタジオなどの壁や天井の材料として使用されます。

 

また、合板の穴に専用のフックを差し込んで物を吊るしたり、棚を取り付けられたりと実用性と装飾性を兼ね備えているため、インテリアとしても人気で、DIYに用いられることが多いです。

ボードコア合板

ボードコア合板は、木材の細片やチップを固めて作られたパーティクルボードや、木材を繊維化して合成樹脂で固めたMDF(中密度繊維板)を芯材に用いた合板のことです。この合板は、家具の材料として広く利用されています。

軽量合板

軽量合板は、芯材にペーパーハニカムコアを使用した合板です。この構造により、反りや歪みが生じにくく、軽量化が可能です。軽量合板は、その優れた特性から、多くの家具製作に利用されています。

合板の品質基準

合板は、日本農林規格(JAS)によって品質基準が定められており、製品にはJASマークが付されています。ここでは、「F☆」、「1類」、「1等」などの品質基準について解説します。

類別

合板は、接着剤の種類や耐水性、強度によって次の4つに分類されます。

 

類別 接着剤の種類 特徴 使用される環境 使用例
特類 フェノール樹脂接着剤 優れた耐水性 屋外や常時湿潤状態にある環境 外壁、デッキ、屋根の下地材
1類 メラミン樹脂接着剤 屋外使用に耐えうる耐水性 断続的に湿潤状態になる環境 外装パネル、バルコニーの床材
2類 ユリア樹脂接着剤 耐水性はそれほど高くない 時々湿潤状態になる環境 室内の壁材、天井材、家具の一部
2類 増量ユリア樹脂接着剤 耐水性がなく、用途も限定される 家具など湿気のない環境 室内キャビネット、棚板

 

ホルムアルデヒド拡散量

合板に使用される接着剤から放出されるホルムアルデヒドや有害物質の拡散量を示す指標として、「F☆」のマークがあります。このマークは、☆の数が多いほどホルムアルデヒドの拡散量が少ないことを示しており、「F☆」から「F☆☆☆☆」までの4段階に分類されています。ホルムアルデヒドは、シックハウス症候群の原因となる物質として知られており、目のチカチカや鼻水などの症状を引き起こすことがあります。2003年の改正建築基準法により、ホルムアルデヒド拡散量に応じた使用制限が義務化されています。

等級

等級は、その強度試験や板面の品質結果を示す指標です。構造用合板の場合、強度等級は1級と2級に分類され、一般的な使用であれば2級でも十分な強度が保証されています。実際に使用される構造用合板の多くが2級となります。

 

板面の品質も等級で分類されており、A・B・C・Dの4段階があります。A等級の板面が最も滑らかで高品質です。一方、コンパネや構造用合板などは、通常CまたはD等級に分類されます。

 

合板の利用

合板は、その多様な特性から建築内装材や家具、さらには日常生活のさまざまな場面で広く利用されています。建築分野では、壁の下地や押入れの内張りなど見えない部分で普通合板が使用され、基礎材として役立っています。そして、天井、壁、床といった、見た目が重視される箇所には、装飾用の表面材として化粧合板がよく使われています。

 

家具製作においても合板は重要な材料です。例えば、箱物家具の部材としてフラッシュ・パネルの面材に使われたり、建具では、ドア・パネルの面材として使用され、美しい仕上がりと高い耐久性を実現するために役立っています。

 

また、合板は建築や家具以外にも日常生活の様々な製品に利用されています。例えば、楽器の製造に利用されたり、強度と耐久性が求められる運動具の製造、子供の玩具にも使用されています。このように、合板は社会に欠かすことのできない材料となっており、その用途は多岐にわたります。

 

まとめ

合板には用途や樹種、加工方法によって多くの種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。各合板の特性を理解すれば、用途や場所、状況に合わせて適切な合板を選ぶことができたり、DIY作品の完成度が大きく変わることもあるので、合板を選ぶ際にはぜひご参考にしてください。

 

また、株式会社弘益では合板を使用したオーダーメイド家具の製作も承っております。私たちのオーダーメイド家具は、お客様の具体的なニーズやご希望に応じて、一つ一つ丁寧に作り上げます。デザインから素材の選定まで、お客様と綿密な打ち合わせを行い、世界に一つだけの特別な家具をお届けします。

興味をお持ちの方は、ぜひ一度お問い合わせください。お客様のご要望をお伺いし、最適なプランをご提案させていただきます。

 

商品掲載カタログ:UTILITY OFFICE 2024

Utility office 2024

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